電気主任技術者におすすめの転職先は?資格のメリットや心構えも解説

履歴書/職務経歴書

電気主任技術者の資格は、他の国家資格と比べても難易度が高めであり、合格率が10%未満ということもございます。
この記事では、「これから電気主任技術者の資格を生かして転職したい」「資格を取得してスキルアップ、キャリアアップしたい」という方におすすめの転職先や資格保有者のメリット、電気主任技術者として働く心構えについてお伝えします。

電気主任技術者とは電気設備の国家資格

電気主任技術者とは、発電所や変電所、工場、ビルなどの受電設備や配線など、電気設備の保安監督を行う仕事です。電気事業法に基づく国家資格であるため、社会的評価が高い資格といわれています。
電気設備がある場合は、電気主任技術者の選任が法令で義務付けられているため、需要の高い仕事です。

電気工事士との違いは保安や監督を行うこと

ここでは、混同されやすい電気主任技術者と電気工事士の違いをお伝えします。

・電気主任技術者・・・事業用電気工作物の工事や、維持・運用の保安監督者
・電気工事士・・・最大電力500kW未満の需要設備や一般用電気工作物の電気工事

一般的には、電気工事士よりも電気主任技術者の方が年収は高い傾向にあります。
なぜなら、電気主任技術者は電気工事士を監督する立場であり、より高い専門知識と責任を担う役割だからです。

電気主任技術者(電験)は誰でも受験することができます

電気主任技術者の資格取得には、電気主任技術者試験(電験)に合格する必要があります。
誰でも申し込みすることができ、受験申し込みは書面かオンラインで行います。

詳しくは下記の通りです。

・書面の場合・・・電気技術者試験センターや書店などで申込書を入手し郵送
・オンラインの場合・・・電気技術者試験センターのホームページから申込み

電気主任技術者には、第1種〜第3種までございます。

電気主任技術者には第一種から第三種まであり、保安監督できる範囲が異なります。

数字が小さくなるほど、多くの現場の保安業務を担当することができるようになります。

・第一種
扱える電圧に上限はなく、事業用電気工作物の工事で保安監督業務を一任される。

・第二種
電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物の工事や、維持・運用に必要な保安管理が行える。

・第三種
出力5,000kW以上の発電所を除く、電圧5万V未満の事業用電気工作物の工事で、保安監督業務が行える。

第三種があれば、日本の電気設備の約9割を保安監督できるといわれ、転職が有利になります

電気主任技術者=電験三種といわれることもある

電気主任技術者と同じく「電験三種」という言葉を耳にする方も多いのではないでしょうか。電験三種には、主に以下の2通りの意味で使用されることが多い傾向にあります。

・第三種電気主任技術者試験の略称
・第三種電気主任技術者の略称

作業現場などでは後者の意味で使用されることが多いかもしれません。
会話の流れでどちらの意味かは想定できると考えられますが、試験と技術者のどちらを指しているかはその都度確認し、齟齬を防ぐことをおすすめします。

転職における電気主任技術者取得者のメリット5つ

次は、転職における電気主任技術者のメリットを5つご紹介します。
メリットは以下の通りです。

1:人材不足のため働き口が見つかりやすい
2:将来的な需要も見込まれる
3:試験の難易度が高いため重宝される
4:電気主任技術者にしかできない仕事がある
5:給与などの待遇がよくなる

1:人材不足のため働き口が見つかりやすい

電気主任技術者は、人材不足といわれており、電気主任技術者の必要性が高まり、働き口が増えています。
電気主任技術者が人材不足といわれる理由は以下の2つです。

・有資格者の約6割が50歳以上で高齢化が進んでいる
・オフィスビルや再生可能エネルギーなどの電気設備が増加している 

2:将来的な需要も見込まれる

電気主任技術者の将来的な需要は高いことが見込まれます。、人工知能(AI)に代替されにくい職業であるからです。
電気主任技術者は高い専門知識が求められ、業務に必要な情報のやり取りが多岐にわたるため、人間的なコミュケーション能力も問われます。そのため、人工知能の技術では当面は代替されにくい職種といわれています。

3:試験の難易度が高いため重宝される

第三種電気主任技術者試験の合格率は10%前後と難易度の高い国家資格であるため、資格保有者は重宝される人材になります。これから資格を取得する方には、気が引ける合格率といえるかもしれませんが、合格した際のリターンは大きいでしょう。

難易度は高いですが、科目別合格制度や一次試験免除制度があるため、この制度を上手に利用したり、オンライン教材で学んだりすることで合格に近づきます。ぜひ合格を目指してチャレンジすることをおすすめします。

4:電気主任技術者にしかできない仕事がある

自家用電気工作物を設置する際には、電気工作物の工事・維持を監督する電気主任技術者の選任が法律で定められているため、電気工事を行う企業や電力会社、工場、オフィスビルなど、多岐にわたって活躍できます。

5:給与などの待遇がよくなる

「試験の難易度が高いため重宝される」でお伝えした通り、電気主任技術者は大変重宝されるため、給与などの待遇は良くなります。企業によっては、資格手当や報奨金が支給されることもあるため、転職先を探す際の確認したいポイントの1つになるでしょう。

また、難易度の高い資格試験に合格した実績が、今後の評価に大きく関わる要素になります。企業によっては、管理職に昇給する条件として電気主任技術者の資格取得が条件に挙げられる場合もあります。

電気主任技術者になる前の心構え3つ

次に、電気主任技術者になる前に重要な心構えを3つお伝えします。

・転勤がある可能性
・作業現場の責任がある
・一般的に「きつい」といわれる職種である

転勤がある可能性

「人材不足のため働き口が見つかりやすい」で先述した通り、電気主任技術者は全国的に人材が不足している状況です。そのため、事業所や支店が複数ある企業や、事業拡大が見込まれる企業は、欠員などにより転勤の辞令を受ける可能性が高くなるでしょう。現在転職先を探している方で、転勤を避けたい方は、求人情報などで転勤の有無は確認しておくと安心です。

作業現場の責任がある

電気は少しのミスで大きな損害を与える恐れがあります。この損害は経済的な損失や人的被害、企業の社会的評価など多岐にわたり、場合によっては、人命に関わったり、企業の倒産に至るケースもあります。

そのため、電気の維持・保安・監督を行う電気主任技術者の責任は大変重く、企業から求められるレベルも高いものとなるでしょう。責任の重い仕事が苦手な方は、転職前に十分検討する必要があります。

一般的に「きつい」といわれる職種である

「きつさ」は個人差や職場環境によって大きく変わりますが、一般的に電気主任技術者は「きつい」といわれることが多い職種です。
なぜなら、深夜勤務やトラブル時の呼び出しなどに加え、責任が重いからです。さらに人材不足を理由にオーバーワークを強要されることも。

やみくもに転職先を探すのではなく、転職エージェントを活用して自分が希望する条件に合った企業を選びましょう。

資格があれば未経験でもチャレンジできる。

電気関係の仕事が未経験でも、電気主任技術者(電験)を持っていれば、転職は可能です。実際に求人情報サイトでも未経験者を歓迎する企業は見つかります。
企業としては、経験が豊富な人材を求めていますが、未経験者でも人材を求める企業が多いのは、それだけ電気主任技術者の人材が不足しているということです。未経験でもチャレンジしてみるのをおすすめします。

具体的な電気主任技術者におすすめの4つの転職先

電気主任技術者におすすめの転職先は下記の4つの業界です。

・ビルメンテナンス業界
・プラント業界
・建築業界
・電気保安協会

ビルメンテナンス業界

ビルメンテナンスは、オフィスビル、病院、マンション、ホテルなどさまざまなビルや施設の電気設備をメンテナンスする仕事です。求人数が多く、未経験者でも採用されやすい業界になります。

実務経験と第二種電気主任技術者以上の資格があると採用の確率が上がるでしょう。業務内容が多岐にわたり、同様に年収や年齢の制限も幅広い傾向にあります。転職エージェントの活用で希望の転職先を探すと良いでしょう。

プラント業界

大型の生産設備や発電設備、処理設備などのプラント業界においても電気主任技術者は必要な人材になります。一般的な電気設備の保安監督以外にも、担当によっては、プラント設備の企画や設計に携わることも可能でしょう。プラント設備の企画や設計の場合、数年単位の大型プロジェクトになるため、中長期的な取り組みに興味がある方におすすめです。

建築業界

建築物の建設や土木工事を担う建築業界でも電気主任技術者は必要な人材になります。建設や土木工事の初期段階から必要とされるため、長期プロジェクトになりやすい業務です。また、建築業界では電気設備の保安・点検などを行う電気系エンジニアとしての需要もあります。

電気保安協会

実務経験者におすすめの転職先が電気保安協会になります。なぜなら、電気保安協会の採用は実務経験を重要視しているからです。家庭や企業への電力供給を安定的に保つために、定期的な点検やトラブルの際は修理などを行っています。

そのため、実務経験が豊富で即戦力になる人材が求められています。実務経験がある方は転職エージェントに相談し、電気保安協会の採用条件に合うのか評価してもらうのもおすすめです。

当サイト注目の2つ転職先業界をご紹介

当サイトが、レア求人が多いと感じた、新分野で注目している転職先を2つお伝えします。

・火力・原子力発電所
・再生可能エネルギー業界

火力・原子力発電所

レア求人として全国にある10大電力会社に転職し、火力・原子力発電所で電気主任技術者として働く方法があります。電力会社の求人件数は少なく、採用条件は厳しい傾向にありますが、採用された場合は、平均を超える年収が期待できるのがポイントです。

電力会社が難しい場合、電力会社から委託されたメンテナンス会社で働くこともおすすめです。メンテナンス会社の場合、電力会社に比べて採用条件は緩い可能性があります。

再生可能エネルギー業界

新しい分野で活躍したい方には、再生可能エネルギー業界がおすすめです。近年の再生可能エネルギーの増加に合わせて、電気主任技術者の求人も増えています。技術開発に注力する企業が多いため、実務経験がなくても、若くてクリエイティブな人材が求められる将来性の高い業界です。

これらの業界の求人は、非公開求人が多く転職情報サイトには掲載されにくいため、転職エージェントを活用して求人を紹介してもらうことをオススメします。

電気主任技術者の給与や資格手当

平均年収は300~600万程度、経験次第では800万円前後可能

第三種電気主任技術者として働く場合の平均年収は、300万円〜600万年程度が相場です。
経験や第1種の資格を取得することで、昇給することも可能です。また、年齢が高くなっても働くことができるので、生涯年収では、大きく差がでることもございます。キャリアの相談含めて、転職エージェントを活用することで、より高年収の求人情報やよりより働き方が見つかる可能性があります。また、高年収の求人はすぐに募集が終わったり、一般には公開されない求人だったりします。少しでも年収を上げたい方は、ぜひ転職エージェントに相談することをおすすめします。

求人を探すなら転職エージェントがおすすめ

今回は電気主任技術者の「資格を生かして転職したい方」「資格を取得してスキルアップ、キャリアアップしたい方」におすすめの転職先や資格保有者のメリット、電気主任技術者として働く心構えについてお伝えしました。

ぜひ転職エージェントを活用し、最新情報を得たり自分の希望を整理したりして、自分に合った転職先を探してみてください。

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